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高麗恵子

 内面の光景を表す物作りは楽しいです。薫る香り、吹く風と共に制作するひと時、未来に出会うある何かに心がときめきます。  この度のヴェネツィアングラスは自分で選んだ玉ばかりで作りました。全力投球という言葉になる状態で作りました。100%真の自分を活かす時が来たと感じるひとつひとつが誕生しました。
 第一陣とし1月28日の高麗恵子スカイロケットセンターにての講演会の時に一部を展示させて戴きました。どれも存在感が強い作品です。桁違いのエネルギーを醸し出しているひとつひとつの作品は、並べているだけでも楽しいです。そんな中で、おとなしめで、可憐で上品な佇まいのネックレスを展示する時、尊い魂を感じ、愛おしくてならない気持ちが生まれ、離れられなくなりました。いつも自分が身につけさせて戴く作品に出会うと、気になり続け、離れられなくなるのです。今、毎日身につけている透明感がある水色とシルバーのネックレスは兄が亡くなってから悲しみを乗り越えたく、無我夢中で作った作品のひとつです。亡き兄の魂を感じ、これからは魂共に生き、強くなりたく、毎日身につけています。そんなある日、駐車場で車に乗る直前、何が起こったかを理解できない程突然、もぎ取られるような体感があり、ネックレスが落ちたのです。落ちる時のスピードの速さに驚きました。手を添える間もなく、 あっという間によりにもよって、パレットのわずかにある隙間に落ちてしまい、拾えないところに落ちてしまったのです。たまたま管理会社の方がおられ、拾って下さり、再び手元に戻ってきましたので、胸撫でおろしました。金具が弱っていることもなく、何故落ちたかは理解出来ない状態でした。ふと身代わりと感じ、心から感謝の気持ちが生まれました。心模様作品といつも生命ひとつで生きています。離れられない作品との縁は深いことをいつも経験してきました。
 今日、気になった作品は見た目には私に似合う感じはしませんでしたので、自分が身につけるものとしては考えていませんでしたので、展示台の心模様のノートカバーと一緒に展示させて戴きました。離れることは身が裂かれるような悲しみを感じました。かといって自分が身につけるものではないと感じていました。そして何故か「この人を一人にしてはかわいそう」と意味がわからない気持ちになるのでした。今まで経験したことのない反応に自分自身が驚き、戸惑い、どうして良いかわからずにいましたので、帰り際にずっと展示しておいてほしいとスタッフに伝えました。するとスタッフが身につけてみませんか、と促してくれたので、つけさせて戴きました。見た目には似合うとは感じませんでしたが、身の一部と感じる愛おしさは何なのでしょうと考えました。その場に居合わせたスタッフは、ぴったりではないけれど、私の身の内にある感覚であることは間違いないと感じると表現してくれました。やはり亡き姉よりないと感じたのです。見た瞬間の愛おしさは亡き姉と感じたのです。母のようにも感じました。自分の母というより、母という存在を感じました。会場におられた方は、高句麗始祖東明王様の母、柳花さんとおっしゃいました。母のような姉のような、と感じていましたが、身につけた時に亡き姉と感じたのです。亡き母はいつもこの世にこんなに綺麗な子がいるかと感じる美しい子であったと言っていました。だからこの世では生きていけなかったと言い聞かせるように私に語っていました。昨年亡くなった兄から届いた手紙にも、亡き姉のことが書かれてありました。今日のネックレスとの出会いからこれからは亡き父母、兄、姉の魂と共に生きていくのだと受け止めました。
 やさしい女性を感じるネックレスに感謝していると、突然いつもつけているネックレスがないことに気づき、先程までつけていたのに何故ないのかと狐につままれたような気持ちで驚きました。はずした覚えもなく、落とした覚えもないのに、首にはついていないのです。ずっとつけているつもりでいましたので、何が起こったのかと慌てて探しはじめました。皆で探しても見つからず、私の体についているとしか考えられずに、体中を触り、探し続けました。驚いたことに着ていたセーターの下の折り目に収まるように落ちていたのです。いつもは何枚も重ね着をしないのに今日に限ってセーターを重ね着してきたのも不思議なことと偶然にしてはストーリーがある展開に驚くばかりです。亡き姉の魂を感じるネックレスをつけるために落ちてくれたのだとその場にいたスタッフと話していましたが、そうとしか考えられない出来事でした。
 最近、ひとつの心模様ループタイからラインストーンが全部落ちてしまっていることに気づき、付け直しをしました。あまりに汚れていることに驚きました。どこまでも抜けるように透き通っている心模様ブローチ、ループタイが、淀み汚れていることが悲しく感じながら石を付けていると身代わりと見えました。心からありがとうございますとお礼を言いながら大切にひとつひとつの石を付けました。内面の光を表す心模様作品との出会いも共に生きる人生も多くを教えてくれます。生命守られていると感じることばかりです。物であって物ではないことを常に感じる作品です。
 出会い、はじまる新しい人生の展開を皆様と共に歩めれば幸いと感じ、出会いの展示会に是非御足をお運び頂けますように願い、お待ちしています。